何共なんとも)” の例文
ナマヌル魂の木村父子はりょの文に所謂いわゆる鳥其巣をかれた旅烏、バカアバカアと自ら鳴くよりほか無くて、何共なんともせん方ないから
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
蓄積して校舎建築費に当つる心算つもりに御座そろ依っては近頃何共なんとも恐縮の至りに存じ候えども本校建築費中へ御寄附被成下なしくださる御思召おぼしめここに呈供仕そろ秘術綱要一部を
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
送る我等なれば最早此上は何共なんとも仕方しかたなしと云けるを三吉ひたひおさへ夫は道理の事ながら我等何程なにほどかせぎても不運にして斯の體と相成ども今一度商賣に取付度何卒なにとぞむかしの好みを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こんなに何うも何共なんともハヤ千万有難う、親子の者が助かります、あれは誠に孝行致して呉れ、親思いでワク/\致して呉れますが、才覚はたらきの無い親を持って不便ふびんとは思いながら
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其上此頃の上国の論は先生に御じきニうかゞい候得バ、はたして小弟の愚論と同一かとも奉存候得ども、何共なんとも筆には尽かね申候。彼是の所を以、心中御察可遣候。猶後日の時を期し候。
主人もこれには何共なんとも困るだろう、何とかして遣りたいが、差当って今何とすることもならぬ、是非が無い、自分が今帯びている石帯を貸してやるより道は無いと
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
お兼は聞豫て吾助に入智慧ぢゑされし事なれば宅兵衞にむかひ今更斯なる上は何共なんとも詮方せんかたなし何れへ成とも連退つれのいて是非共女房にして給はるべしといはれて宅兵衞は五十をえて十六七の娘を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
是は何共なんともうも御親切千万有難う、親子の者が窮して居りまするのを蔭ながら御心配下され、着物がなければ貸して遣ろうと仰しゃる思召おぼしめし、千万かたじけない事で、御親切は無にいたしません
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
どうぞ殿様此ののちも寄ってお呉んなさい、へえへえ有難う、おいかゝア、大切たいせつに取って置きな、御三家御三卿がくらうてえんだが、旨くも何共なんともねえものを飲むんだな、香の物のいのを出して呉れ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
治「何共なんともお礼のようがない」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)