トップ
>
些
>
ちよい
ふりがな文庫
“
些
(
ちよい
)” の例文
『然うですか。ぢや手紙が着いたんですね?』と親げな口を利いたが、
些
(
ちよい
)
と俯向加減にして立つてゐる智恵子の方を
偸視
(
ぬす
)
んで
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「是非お目に懸りたいと言つて、何と言つても帰りませんから、座敷へ上げて置きました、
些
(
ちよい
)
とお会ひなすつて、早く
還
(
かへ
)
してお
了
(
しま
)
ひなさいましな」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
近子は
些
(
ちよい
)
と嫌な顏をして、「それでも
貴方
(
あなた
)
、
何
(
ど
)
うかすると
彈
(
や
)
れツて
有仰
(
おつしや
)
ることがあるぢやありませんか。」
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
K—先生に絶交状を附けられたのは
最
(
も
)
う度々の事で、
他
(
ひと
)
に話しても、「又ですか。」と笑はれる。感情の強い人ゆゑ、
些
(
ちよい
)
とした事で騒ぎたてるが、直る事もすぐ直る。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
「
些
(
ちよい
)
と見たつてそんな事を為さうな風ぢやありませんか。お前さんなんぞは
堅人
(
かたじん
)
だから可いけれど、本当にあんな者に
係合
(
かかりあ
)
ひでもしたら大変ですよ」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
洋服着た男とでも肩が擦れ/\になると、訳もなく身体が縮んで了つて、
些
(
ちよい
)
と首を動かすにも頸筋が痛い思ひ。停るかと思へば動き出す。動き出したかと思へば停る。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
田住の方が
却
(
かへ
)
つて恐縮して、ヘツと
頸
(
くび
)
をちゞめて友達の足の裏を
些
(
ちよい
)
と突いた。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
「さうして
明日
(
みようんち
)
、五時頃
些
(
ちよい
)
とお目に掛りたいから、さう申上げて置いてくれと
有仰
(
おつしや
)
つてで御座いました」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
眼をギラギラ光らして舌を出し乍ら、垢づいた首巻を巻いて居たが、
階段
(
はしご
)
を降りる時は
再
(
また
)
顔を
顰蹙
(
しか
)
めて、
些
(
ちよい
)
と時計を見上げたなり、事務の人々には言葉もかけず
戸外
(
そと
)
へ出て了つた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
気障
(
きざ
)
も
厭味
(
いやみ
)
もない、
言語
(
ことば
)
から
挙動
(
ものごし
)
から、
穏和
(
おとなし
)
いづくめ、丁寧づくめ、謙遜づくめ。デスと言はずにゴアンスと言つて、其度
些
(
ちよい
)
と頭を下げるといつた
風
(
ふう
)
。風采は余り揚つてゐなかつた。
悲しき思出:(野口雨情君の北海道時代)
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
況
(
ま
)
して乘つた時の
窮屈
(
きうくつ
)
さ。洋服着た男とでも肩が擦れ/\になると、譯もなく身體が縮んで了つて、
些
(
ちよい
)
と首を動かすにも頸筋が痛い思ひ。
停
(
とま
)
るかと思へば動き出す。動き出したかと思へば停る。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
重兵衛それが
平生
(
ひごろ
)
の遺恨で、
些
(
ちよい
)
とした手紙位は手づから書けるを自慢に、益々頭が高くなつた。
規定
(
きまり
)
以外の村の
費目
(
いりめ
)
の割当などに、
最先
(
まつさき
)
に苦情を言出すのは此人に限る。其処へ以て松太郎が来た。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
些
漢検準1級
部首:⼆
7画
“些”を含む語句
些少
些々
些事
些細
些末
些子
些程
些中
些細事
露些
一些事
今些
些額
些許
些計
些箇
些末事
些末主義
些技
些小
...