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二人連
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ふたりづ
夏のはじめに、よく
蝦蟆賣りの
聲を
聞く。
蝦蟆や、
蝦蟆い、と
呼ぶ。
又此の
蝦蟆賣りに
限りて、十二三、四五
位なのが、きまつて
二人連れにて
歩くなり。
ある
日、
兵隊服を
着た、
二人連れのおじさんが、お
薬を
売りにきました。
一人のおじさんは、
松葉づえをついて、
往来の
上で、なにか
大きな
声を
出して、わめいていました。
よつて
怪しからぬ
二人連れを、
畜生、
蝦蟆賣め、と
言ふ。たゞし
蝦蟆は
赤蛙なり。
蝦蟆や、
蝦蟆い。——そのあとから
山男のやうな
小父さんが、
柳の
蟲は
要らんかあ、
柳の
蟲は
要らんかあ。
ある
日、十二、三になった
男の
子が、
二人連れでやってきました。