丼鉢どんぶりばち)” の例文
ちょうどお粥のようになったところで火からおろして玉子の黄身とお砂糖を好い加減に混ぜてプデン皿かあるいは丼鉢どんぶりばちへ入れてその鉢を
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
茶盆、烟草盆タバコぼん火鉢ひばち丼鉢どんぶりばち、眼にるものはいくらでもあったが、買えるのは滅多に出て来なかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
支那人の手品使いは、大きな、水の這入った丼鉢どんぶりばちでさえからだの中へ隠すではありませんか
二銭銅貨 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
近年この窯で鉄釉てつぐすりの地に絞描しぼりがきで線を引いた丼鉢どんぶりばちを作りました。大型も小型もこしらえます。調子がはなはだよく、どんな台所に入っても、また卓上で用いられてもよいでありましょう。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
二リットルびんに半分の酒と二リットルそっくり詰っている焼酎しょうちゅうが出され、大きな丼鉢どんぶりばちの片方にあみの佃煮つくだに、片方に大根なます、どっちも山盛りになっていて、取り箸がいちぜん。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
置時計、寒暖計、すずり、筆、唾壺だこ、汚物入れの丼鉢どんぶりばち呼鈴よびりん、まごの手、ハンケチ、その中に目立ちたる毛繻子けじゅすのはでなる毛蒲団一枚、これは軍艦に居る友達から贈られたのである。(六月七日)
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
○「何を丼鉢どんぶりばちを振廻すのだ」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この原料をベシン皿かあるいは丼鉢どんぶりばちへ入れてテンパン即ちブリキ皿の中の湯の注いである処へ置いてテンピの中で二十分間焼きます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
余は国を出てから十年ほどの間御所柿を食った事がないので非常に恋しかったから、早速沢山持て来いと命じた。やがて下女は直径一尺五寸もありそうな錦手の大丼鉢どんぶりばちに山の如く柿を盛て来た。
くだもの (新字新仮名) / 正岡子規(著)
四つ入れてよくぜてそれからベシン皿へでもあるいは丼鉢どんぶりばちへでも入れてほかのプデンのようにテンパンへお湯をいでその中へベシン皿を
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
その時一方の大きな丼鉢どんぶりばちへ上等の醤油しょうゆばかりいで今の湯煮た肉をぐに漬けておく。それが一日も過ぎると醤油が肉に浸みてうまい味になる。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
混ぜてベシン皿かあるいは丼鉢どんぶりばちへ入れて弱い火で十分間ほど焼きますとまた一層ふくれ上って美事みごとな物が出来ます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
以前の客間にいざないて「サア大原さん、ようやく出来ました。貴君あなたはきっと沢山召上るだろうと思って大きな丼鉢どんぶりばちへ入れて来ましたから御遠慮なく何杯でもおかわりして下さい」
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それをブリキの型へでも丼鉢どんぶりばちへでも入れて水の中でもあるいは氷の中ででも冷し固めます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それを丼鉢どんぶりばちへ入れて鍋へ湯を沸かして丼鉢を一時間ばかり強くない火で湯煎ゆせんにするとちょうどお粥の少し固いようなものが出来て匙ですくって食べると頬が落ちるほど美味しいよ。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)