三宅島みやけじま)” の例文
それで土地によっては連尺を背負子しょいこの手ともいい(三宅島みやけじま)、あるいはまた荷繩になわのことだというものもある(佐渡さど)のである。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
其方義夫傳吉の留守中るすちう昌次郎と奸通かんつう致しあまつさへ傳吉歸國きこくせつ密夫みつぷ昌次郎に大金をかたりとら旁々かた/″\以て不埓ふらちに付三宅島みやけじま遠島ゑんたう申付る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「おかあさん、あの爆発ばくはつした三宅島みやけじまより、もっととおいんですね。」と、義夫よしおは、いいました。
ある夜の姉と弟 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もっとも遠島と申しますのは八丈島、三宅島みやけじまにて、其の内佐渡は水掻人足みずかきにんそくと申しまして、お仕置のうちでも名目みょうもくいのでござりますが、囚人めしゅうどの身に取っては一番つらい処でありますから
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
つわ、飲むわ——博徒ばくとの仲間にはいって、人殺し兇状を重ね、とうとうほんものの泥棒渡世とせいをかせいで、伝馬町てんまちょうの大牢でも顔を売り、ついに、三宅島みやけじまに送られ、そこを破ってからは
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
伊豆の三宅島みやけじまなども家の炉はジロと謂ったらしいが、火山の火坑だけは今もこれをホドと呼んでいる。ただし八丈島へ行くと、噴火口はカナドである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
三宅島みやけじまのネザンバなどはどうかしらぬが、子どもは人形を相手にして遊び出すと、急におしゃべりになるか、そうでないまでも言葉の楽しみを味わう力ができてくる。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
伊豆いず三宅島みやけじまなどでも、村からやや遠い空野に祭場を設け、それへ色々の食物を取りそろえて鼠送りをしていたということで、そこには現在小さなほこらがあるそうである。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
伊豆の三宅島みやけじまなどには山に住む馬の神がみいったという話もあって、過度に素朴なる口碑は諸国に多く、そうでなければ不思議な因縁がその女の生まれた時から附纏つきまと
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それによく似た例は伊豆七島の三宅島みやけじまの一部で、ままごとをネザンバまたはネタンバアということで、これは「ねえさん婆さん」の意味だということを、島の人もまだ知っている。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)