“孤独”のいろいろな読み方と例文
旧字:孤獨
読み方割合
こどく56.4%
ひとり23.1%
ひとりみ7.7%
アインザーム5.1%
ひとりぼつち2.6%
エゴ2.6%
ヒトリ2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さらばといって、あの孤独こどくなかしの幸福こうふくで、あきになるとれてしまうくさが、はたしてしあわせであるということができるだろうか?
大きなかしの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ですから銀子さん、私の心は決して孤独ひとりではありません、——節操は女性をんなの生命ですもの、王の権力も父の威力も、此の神聖なる愛情の花園を犯すことは出来ません
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
私はいつか千代子と行き会ったかの橋の欄干おばしまって、冬枯れの曠野ひろのにションボリと孤独ひとりみ寂寥さみしさを心ゆくまでに味わうことも幾たびかであった。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
と歌う蕪村は、常に寒々とした人生の孤独アインザームを眺めていた。そうした彼の寂しい心は、いろりに火の燃える人の世の侘しさ、古さ、なつかしさ、暖かさ、楽しさを、慈母の懐袍ふところのように恋い慕った。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
つい今迄その感情の満足をはからなかつた男だけに、言ふ許りなき不安が、『男は死ぬまで孤独ひとりぼつちだ!』といふかれ悲哀かなしみと共に、胸の中に乱れた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
孤独エゴ感等を拭ひ去り、楚々たる明快な川瀬に達したかのやうな安らかさを覚えさせるのであつた。
小川の流れ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)