-
トップ
>
-
まをしあ
安らかに、おまへの
白い
御主の
下へ
行け、さうして、あたしをお
忘れになつたかと
申上げて
呉れよ。
『
御機嫌如何に
在らせられますか、
陛下よ!』
公爵夫人が
低い
脾弱い
聲でお
伺ひ
申上げました。
二時を
過ぎ、
三時になり、
彼方此方で
一人起き、
二人さめると、
起きたのが、
覺めたのが、いづれもきよとんとして
四邊を
見ながら、
皆申合はせたやうに、ハンケチで
口を
押へて、げゞツと
咽せる。
又申合はせたやうに
牡丹を
植てゐる。