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ひつぱふ
日本人が
歐文を
飜譯するとき、
年紀や
所在地の
書き
方は、これを
日本流に
大より
小への
筆法に
直すが、
固有名は
矢張り
尊重して
彼の
筆法に
從ふのである。
駆落ちたりと申す
語、
今日の
国民新聞に見え
申候茶漬る
的筆法の
脱化とも申すべく
候。(十九日)
この
筆法で
行けば、
富士山を「
日本チンボラソ」と
呼び、
隅田川を「
日本テムズ」とでもいはねばなるまい。
これは
曾つてわが
輩が「
國語尊重」の
題下でわが
國の
國號は
日本であるのに、
外人の
訛傳に
追從して
自らジヤパンと
名乘るのは
國辱であると
論じたのと
同じ
筆法で
この
筆法で
行けば、
武藏は「ブゾー」、
相模は「ソーボ」と
改稱されねばならぬ
筈である。