“のた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
55.6%
野垂16.7%
野倒11.1%
5.6%
蜿蜒5.6%
5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たちまち屍光にぼっと赤らんだ壁が作られ、それがまるで、割れた霧のように二つに隔てられてゆき、その隙間に、ノタリノタリと血がのたくってゆく影がしるされていった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
エエト……そうそう六の親父おやじのが「野垂のたれ死に」てえんで、あっしのが「鸚鵡おうむ小便シッコ」てんだそうで……笑いごとじゃねえんで……ヘエ。ノスタレジイ……ノスタルジヤにホーム・シックでゲスかい。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
俺はいつかこの病気で放浪のはてに野倒のたれるに違いない。
苦力頭の表情 (新字新仮名) / 里村欣三(著)
徳太郎君聞給きゝたまひ先夜も申聞すごとく予は紀伊大納言殿きいだいなごんどのの三男徳太郎信房のぶふさだぞ無禮ぶれい致すな提灯ちやうちんもんは目に見えぬか慮外りよぐわいせばゆるさぬぞとのたまふ大岡大音だいおんあげ紀伊家の若君が御辨おわきまへなく殺生禁斷せつしやうきんだんの場所へあみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
汽車のふえの音を形容して喘息ぜんそくみのくじらのようだと云った仏蘭西フランスの小説家があるが、なるほどうまい言葉だと思う間もなく、長蛇のごとく蜿蜒のたくって来た列車は
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
仕丁 わしが、しかおさえておりますればこそで、うかつに棄てますと、このまま黒蛇くろへびに成ってのたり廻りましょう。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)