トップ
>
蜿
>
のた
ふりがな文庫
“
蜿
(
のた
)” の例文
単にそればかりでなく、熱に
悶
(
もだ
)
えて苦しんで、さながら蛇のように
蜿
(
のた
)
うちまわる。蛇神の名はそれから起ったのである。
半七捕物帳:30 あま酒売
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
たちまち屍光に
暈
(
ぼっ
)
と赤らんだ壁が作られ、それがまるで、割れた霧のように二つに隔てられてゆき、その隙間に、ノタリノタリと血が
蜿
(
のた
)
くってゆく影が
印
(
しる
)
されていった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
それから二つの自己がまた一つになると、過ぎ去った日の事どもをだんだんにたどりながら、ベッドの上で
蜿
(
のた
)
うち廻っている、ただの私(半分発狂し、悪魔に
憑
(
つ
)
かれた私)になった。
世界怪談名作集:12 幻の人力車
(新字新仮名)
/
ラデャード・キプリング
(著)
往来のまん中にも大きな蛇が
蜿
(
のた
)
くっていて、わたしは時々におどろかされたことを記憶している。幾度もいうようであるが、まったくこゝらは著しく変った。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その穴釣りの鰻屋も、この柳のかげに寄って来て甘酒などを飲んでいることもあった。岡持にはかなり大きい鰻が四、五本ぐらい
蜿
(
のた
)
くっているのを、私は見た。
御堀端三題
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
その穴釣りの鰻屋も、この柳のかげに寄って来て甘酒などを飲んでいることもあった。岡持にはかなり大きい鰻が四、五本ぐらい
蜿
(
のた
)
くっているのを、私は見た。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
利八の話によると、番頭と小僧はきょうまで熱が下がらないで、
生殺
(
なまころ
)
しの蛇のように
蜿
(
のた
)
うち廻っている。
半七捕物帳:30 あま酒売
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼は今、玉藻がむいてくれた
瓜
(
うり
)
の露をすこしばかりすすって、死にかかった蛇のように
蒲莚
(
がまむしろ
)
の上に
蜿
(
のた
)
打っていた。それを慰めるのは玉藻がいつもの優しい声であった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
權六 幸ひ今日は
主親
(
しゆうおや
)
の命日といふでも無し、殺生するにはあつらへ向きぢや。下町から
蜿
(
のた
)
くつて来た上り鰻、山の手奴が引つ掴んで、片つぱしから
溜池
(
ためいけ
)
の泥に埋めるからさう思へ。
番町皿屋敷
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一匹や二匹
蜿
(
のた
)
くっているのならば、誰もそのままに見過ごしてしまうんですが、何分にもたくさんの蛇が一つにあつまって、盛りあがるようにとぐろをまいているんですから、よほど変っています。
半七捕物帳:34 雷獣と蛇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それが三日四日を過ぎると更に怪しい症状を表わして来て、病人はうつむいて両足を長くのばし、両手を腰の方へ長く垂れて、さながら魚の泳ぐような、蛇の
蜿
(
のた
)
くるような奇怪な形をして這いまわる。
半七捕物帳:30 あま酒売
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
大きい眼をひからせて
蜿
(
のた
)
くって来るようです。
半七捕物帳:20 向島の寮
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
蜿
漢検1級
部首:⾍
14画
“蜿”を含む語句
蜿蜒
蜿々
蜿蜓
大蜿
蜿打
二蜿
幾蜿
蜿曲
蜿蜒裊娜
蜿蜿