“にげかく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
逃匿20.0%
逃竄20.0%
逃隠20.0%
遁隠20.0%
遁隱20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は逃匿にげかくれはしねえ、もとより斬られる覚悟でした事だが、旦那さま、あんた此の皿はまア何で出来たものと思召おぼしめします、私ア土塊つちっころで出来たものとかんげえます、それを粗相で毀したからとって
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二七心々の世の中となりしほどに、老いたるは山に逃竄にげかくれ、二八わかきは軍民いくさびとにもよほされ、けふは此所を焼きはらふ、あすは敵のよせ来るぞと、女わらべ東西をちこちに逃げまどひて泣きかなしむ。
なんじも立派な武士さむらいだから逃隠にげかくれはいたすまい、なんの遺恨あって父織江を殺害せつがいして屋敷を出た、ことに当家の娘と不義をいたせしは確かに証拠あって知る
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
宗吉は、しかし、その長屋の前さえ、遁隠にげかくれするように素通りして、明神の境内のあなたこなた、人目のすきの隅々に立って、うえさえ忘れて、半日を泣いて泣きくらした。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さればこゝむべくおそるべきを(おう)にたとへて、かりに(おう)といへる一種いつしゆ異樣いやう乞食こつじきありて、がう屋敷田畝やしきたんぼ徘徊はいくわいす。驚破すはおうきたれりとさけときは、幼童えうどう婦女子ふぢよし遁隱にげかくれ、孩兒がいじおそれて夜泣よなきとゞむ。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)