“なげし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
長押89.0%
承塵7.8%
1.3%
下帶0.6%
楣間0.6%
長欄0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むかし、尾崎紅葉もここへ泊ったそうで、彼の金色夜叉の原稿が、立派な額縁のなかにいれられて、帳場の長押なげしのうえにかかっていた。
断崖の錯覚 (新字新仮名) / 太宰治黒木舜平(著)
かくてもいまいかりは解けず、お村の後手うしろでくゝりたる縄のはし承塵なげしくぐらせ、天井より釣下つりさげて、一太刀斬附きりつくれば、お村ははツと我に返りて
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それでもその人は医者だと見えて、父の時分からの永寿堂えいじゅどう病院という看板は相変わらず玄関のなげしに見えていた。長三洲ちょうさんしゅうと署名してあるその字も葉子には親しみの深いものだった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
廻りけるに或時神田紺屋町の裏長屋をまはりしが職人體しよくにんていの者五六人にて酒をのみる處へ例の通りていねいに口上をくづやで御座り升と云に職人は酒機嫌さけきげんにて屑屋さん下帶なげしかはねへか紙屑のかはりに鐵釘くぢら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そしてはつと気がいて後を見ると、楣間なげしに懸つたゲツセマネの基督は吃驚びつくりしたやうにふるへて居た。広岡女史はつと立ち上つたと思ふと、大きな手で相手の肩を押へた。
激しく斬り下げた良平の一刀、う間違ったか、深々と長欄なげしに斬り込んでしまいました。
百唇の譜 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)