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とぶとり
飛鳥もあとを
濁ごすなに候へば、
大藤の
大盡が
息子と
聞きしに
野澤の
桂次は
了簡の
清くない
奴、
何處やらの
割前を
人に
背負せて
逃げをつたなど
〻斯ふいふ
噂があと/\に
殘らぬやう
当時飛鳥も
落ちると
言ふ、お
妾が
一人乗つて
出たが、
船の
焼出したのは、
主が
見さしつた
通りでがす。——
其の
妾と
言ふのが、
祖父殿の
許嫁で
有つたとも
言へば、
馴染だとも
風説したゞね。
君住むは
西方百里
飛鳥の、翼うらやみ大空を見る