“ひちょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
飛鳥78.1%
飛蝶6.3%
秘帖3.1%
悲腸3.1%
悲調3.1%
秘牒3.1%
飛跳3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
道化男は馬の腹の下や、前足や後足の間を飛鳥ひちょうのように潜り抜けて巧みに飛び付いて来る馬と犬を引っぱずした。見物の中に拍手の声が起った。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
大正五年に珍書刊行会で公にした『劇界珍話』は飛蝶ひちょうの名が署してあるが、優の未定稿である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
あの攻軍の秘帖ひちょうだ! あの手が秀吉ひでよしだったのか? あの手が? 呂宋兵衛はぼうぜんとして二のがでない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
暗闇くらやみのなかで、呂宋兵衛るそんべえ、ムズとつかんだ。一同が評議にかけていた秀吉ひでよし袋攻ふくろぜめの秘帖ひちょう、それだ! それをつかんだ。——片手につかんでがまのように評定ひょうじょうをはいだした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここへおちつかれてからの後醍醐は、しきりと歌をまれていた。それも秀歌しゅうかが多かった。自然、運命の極限が、人の悲腸ひちょう詩魂しこんを叫ばすのであろうか。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、咲耶子さくやこのいるおかの上から、悲調ひちょうをおびた笛の一声ひとこえ高く聞えたかと思うと、いままでワラワラ逃げまどっていた野武士のぶしたちの影は、忽然こつねんとして、草むらのうちにかくれてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで殿の申されるには、こはこれ、容易ならぬ六波羅の秘牒ひちょうだ、すぐ宮の候人こうじん殿でん法印ほういんどのまで、そのほう直接、訴人となって、先にお届けに及べ、との仰せつけにござりましたようなわけで
その猛吼もうく飛跳ひちょうも次第に弱まり、いくたびか棒をんだが、その棒テコでも苦闘に落ちる。武松は迫って、また白額しろびたいの毛の根をつかみ、十二十打の鉄拳をつづけさまにくだした。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)