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てんざい
其小高い
所々に、
下から
石段を
疊んで、
寺らしい
門を
高く
構へたのが二三
軒目に
着いた。
平地に
垣を
繞らして、
點在してゐるのは、
幾多もあつた。
僅に
鬼怒川の
水を
隔てゝ
西は
林が
連つて
居る。
村落も
田も
畑も
其の
林に
包まれて
居る。
東は
只低い
水田と
畑とで
村落が
其の
間に
點在して
居る。
其處に
家を
圍んで
僅かな
木立が
有るばかりである。
小屋をぬいた
炎の
柱はボウーッとまっすぐに立って、
斬りつ斬られつ、みだれあう黒い人かげの
点在を見せる
巨大な
篝火のごとく
燃えている。