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てはじ
土をなめても
是れを
立身の
手始めにしたき
願ひと、
我れながら
宜くも
言へたる
嘘にかためて、
名前をも
其通り、
當座にこしへらて
吾助とか
言ひけり
そして
先づ
自分の
思ひついた
畫題は
水車、この
水車は
其以前鉛筆で
書いたことがあるので、チヨークの
手始めに
今一
度これを
寫生してやらうと、
堤を
辿つて
上流の
方へと、
足を
向けた。
呼出し一人一人に吉兵衞に
引合せ此度は
番頭吉兵衞樣御商賣のお
手初め
新艘の天神丸の
上乘成るゝとの事なり
萬事御利發のお方なり正月三日のお
祝は
番頭樣の
奢り成ぞ皆々悦び候へと語りければ
水主等は皆々手を