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だいぢやうふ
おそれ我方
非分と知りながら是を
捌く事
遠慮する所
彼越前守は
奉行となつてたちまち一時に
是非を
糺し
我領分をまけになしたる
段あつぱれ
器量は
格別にして
智仁勇三
徳兼備の
大丈夫なり
彼を
同じく
語るべからず然るに
享保の
初大岡越前守
忠相といふ人町奉行となつて
年久しく吉宗公に
勤仕しける此人あつぱれ
大丈夫にして其智萬人にすぐれ
遠き板倉の
輩に同じされば
奉行勤仕勤功同越前守よく/\上を
答へて歸し候と申ければ同心然らば
聢と
左樣か
萬一後日に
顯れなば決して爲に
成まじ
併しながら參らざる儀なれば
是非に及ばず先吟味中家主へ
屹度預申付る惣右衞門も
左樣相心得よ時に陸尺七右衞門の宅は何方ぢや惣右衞門
御邊は知らざるやと思ひ掛なき尋ねに
日頃大丈夫の惣右衞門なれ
共ハツと
仰天なし七右衞門の
宅は