“たまり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
79.4%
溜室5.9%
根拠地2.9%
水溜2.9%
溜醤油2.9%
醤油2.9%
駐車場2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
現にこの狩集村は、今も阿蘇郡古城こじょう村大字手野字尾籠おご小字こあざとなって存在する。人の集合する所をたまりということは普通の例である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
谷本博士はある日教授の溜室たまりで上田博士の顔を見ると
……それから九龍浦の次は浦項ほこう江口こうこうで、ここは将来有力な爆薬ハッパ根拠地たまりになる見込みがあります。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
裏手は一面の蘆原あしはら、処々に水溜たまり、これには昼の月も映りそうに秋の空は澄切って、赤蜻蛉あかとんぼが一ツき二ツ行き、遠方おちかたに小さく、つりをする人のうしろに、ちらちらと帆が見えて海から吹通しの風さつ
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
七つ八つの泡によって鍋底から浮上り漂う銀杏形いちょうがたれの中で、ほど良しと思うものを彼ははしで選み上げた。手塩皿の溜醤油たまりに片れの一角を浸し熱さを吹いては喰べた。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
姉はその前に立って、大きな味噌おけを弟にのぞかせて、毎日食膳に上る手製の醤油たまりはその中で造られることなどを話して、それから厳重な金網張の戸の閉った土蔵の内部なかへ三吉を案内した。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
坂を上つて少し行くと清水きよみづの通りで、そこの角の所に車の帳場があるのだつた。帳場とは呼んでゐたが、実は顔のきまつた二三の車夫達の共同の駐車場たまりで、いつも必ず車があるとは限らぬのだつた。
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)