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ぜつけい
前にして遠く
房總の山々を
望み南は
羽田の
岬海上に
突出し北は
芝浦より淺草の
堂塔迄遙かに見渡し凡そ
妓樓の
在地にして此
絶景を
と
巡査は
一ぷく
點火てマツチを
義母に
返すと
義母は
生眞面目な
顏をして、それを
受取つて
自身も
煙草を
喫いはじめた。
別に
海洋の
絶景を
眺めやうともせられない。
山半は
老樹条をつらね
半より上は
岩石畳々として
其形竜躍虎怒がごとく
奇々怪々言べからず。
麓の左右に
渓川あり
合して
滝をなす、
絶景又
言べからず。
旱の時此
滝壺に
雩すればかならず
験あり。