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じやしやう
演長助お光の兩人は是で
此方に
拔目はないと
小躍をして立戻り長助は
直ちに訴訟書をぞ
認めける
總て公事は訴状面に
依て
善惡邪正を
惑ひし
眼に
邪正は
分け
難し、
鑑定は
一重に
御眼鏡に
任さんのみと、
恥たる
色もなく
陳べらるゝに、
母君一ト
度は
惘れもしつ
驚ろきもせしものゝ、
斯くまで
熱心の
極まりには
落せしより
※らずも
無實の罪に
陷入一
旦入牢仰せ付られけるが
上に
聖賢の
公存ませば下に
忠良の臣あつて
能國家を
補翼す故に今
斯明白に
善惡邪正を
言掛りなりとて打擲を
請其
事柄相反すと雖も
各自其
邪正を
洞察れし裁許天晴明斷と言つべし