-
トップ
>
-
しんしう
連信州の
湯治に參りしが右妻儀は五歳の時人に
勾引され江戸へ
參りしに
肌の守り
袋に生國は越後高田領の
由書付有しゆゑ
親に
對面致させんとて來りし所
途中にて妻を
三郎はもう
長いこと
信州木曾の
小父さんの
家に
養はれて
居まして、
兄の
太郎や
次郎のところへ
時々お
手紙なぞをよこすやうになりました。
三郎はことし十三
歳、
末子がもう十一
歳にもなりますよ。
新秋の
氣もちいゝ
風が
簾を
透して
吹く、それが
呼吸氣管に
吸ひ
込まれて、
酸素が
血になり、
動脈が
調子よく
搏つ………その
氣が
味はへない。