“しっき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
漆器52.9%
湿気29.4%
失気5.9%
濕氣5.9%
疾鬼5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いえ、母がこのあたりの旅が好きなのと、自分もこの寺に参ると、奈良、鎌倉以後の、やら仏像やら漆器しっきやら、いろいろ名匠の作品を見せていただけるので……」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四月の末だというのに、湿気しっきを含んだ夜風が、さらさらと辻惑つじまどいに吹迷って、の花を乱すばかり、さっと、その看板のおもてを渡った。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かえりの駕籠の中で二度三度と失気しっきなされるので、やむなく途中の百姓家に駕籠をとめ、離れ家におともない申し、いろいろご介抱もうしあげましたところ、ようやくのことで御正気。
顎十郎捕物帳:10 野伏大名 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
どりゃ、太陽そのゆるやうなまなこげて今日けふひるなぐさめ、昨夜さくや濕氣しっきかわかまへに、どくあるくさたふとしるはなどもをんで、吾等われらこのかごを一ぱいにせねばならぬ。
総勢数えて三十余人、草履あるいは跣足はだしにて、砂を蹴立て、ほこりを浴び、一団の紅塵こうじん瞑朦めいもうたるに乗じて、疾鬼しっき横行の観あり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)