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漆器
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しっき
ふりがな文庫
“
漆器
(
しっき
)” の例文
枕許
(
まくらもと
)
に置き並べた、舶来物でもあるのか、見なれぬ形の
目醒
(
めざま
)
し時計、
漆器
(
しっき
)
の
巻煙草
(
まきたばこ
)
入れ、
色硝子
(
いろがらす
)
の灰皿、
何
(
いず
)
れを見ても、それらの品物の主人公が、世にも
綺麗
(
きれい
)
好きな
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「いえ、母がこのあたりの旅が好きなのと、自分もこの寺に参ると、奈良、鎌倉以後の、
画
(
え
)
やら仏像やら
漆器
(
しっき
)
やら、いろいろ名匠の作品を見せていただけるので……」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
街道をつたって同じ仕事が目に繰り返って映れば、その
業
(
わざ
)
に歴史があることが判る。
漆器
(
しっき
)
屋、
竹籠
(
たけかご
)
屋、
箪笥
(
たんす
)
屋等、多くは集団して軒を連ねる。京の
夷川
(
えびすがわ
)
等いい例である。
地方の民芸
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
盛り方を工夫し、
手際
(
てぎわ
)
のよいものにしたいと思う時、当然そこに、食器に対しての関心が
湧
(
わ
)
いてくる。すなわち、陶器にも
漆器
(
しっき
)
にも目が開けてくるという次第になるのである。
鍋料理の話
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
凡
(
すべ
)
て何らの修飾をも調理をも出来得るかぎりの人為的技巧を加味せざる(少くとも表示せざる)天然野生の粗暴が陶器
漆器
(
しっき
)
などの食器に
盛
(
もら
)
れている料理の真中に出しゃばって
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
漆器
(
しっき
)
では熊本で売っていた仏器を想い出します。形も
塗
(
ぬり
)
もよく、いわゆる「
地出来
(
じでき
)
」の味の濃いものであります。また同じ町で白木で
箍
(
たが
)
の入った桶類によい形のを見かけます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
盆、
箸
(
はし
)
、箱物、
椀
(
わん
)
のようなもの。クリ物も出来れば
漆器
(
しっき
)
も作ります。そうしてこの辺にドッカリと雪のある間は、作り溜めておくのでございますよ。つまり、これからがその季節で。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
漆器
(
しっき
)
の蓋のついた大型の
煎茶
(
せんちゃ
)
茶碗である。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
この家が
主
(
おも
)
だって
漆器
(
しっき
)
を作り出したことはこの
界隈
(
かいわい
)
では誰も知っている。今でも
漆
(
うるし
)
の仕事部屋が続いている。しかしその近所近在に
漆塗
(
うるしぬり
)
を業とする者が沢山いる。塗りばかりではない。
陸中雑記
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
能代
(
のしろ
)
の
漆器
(
しっき
)
はいつもその一つであります。「
秋田春慶
(
あきたしゅんけい
)
」とも呼ばれていて
檜
(
ひのき
)
の
柾目
(
まさめ
)
を素地にし、幾回かこれに
漆
(
うるし
)
を塗って、なおかつ柾目の見えるのを誇りとします。透明な黄味を帯びた塗であります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
漆器
(
しっき
)
では他の国にもっと有名な所が沢山ありますし、技でも更に優れたものが少くないでしょうが、しかし昔の格をどこか保っている点で、
仮令
(
たとえ
)
安ものでも二戸郡のものは見直さるべきだと思います。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
“漆器”の解説
漆器(しっき)は、木や紙などに漆を塗り重ねて作る工芸品である。狭義には「漆を塗った食器」の意味であるが、広義では漆が塗られた漆工品全般が含まれる。歴史的にアジアを中心とした国で、食器、箱、箪笥、台、棚、車体などの様々な用途で作られ、日用品から高度に装飾された美術工芸品まで多様な工芸品が作られた。漆を表面に塗ることで器物は格段に長持ちする。
(出典:Wikipedia)
漆
常用漢字
中学
部首:⽔
14画
器
常用漢字
小4
部首:⼝
15画
“漆器”で始まる語句
漆器屋
漆器店