“さしみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
刺身81.0%
魚軒12.1%
差味3.4%
刺肉1.7%
魚膾1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日本人が常に刺身さしみを愛し、常食するゆえんは、自然の味、天然の味、すなわち加工の味以上に尊重するところである、と私は思っている。
味覚馬鹿 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
茶につけてやっと一椀の飯を済した跡で見れば、最初一寸口をつけた椀の物の外の、白い方の魚軒さしみ二片ふたきれ程箸に懸ったばかりだ。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
たひ味噌汁みそしる人參にんじん、じやが、青豆あをまめとりわんたひ差味さしみ胡瓜きうり烏賊いかのもの。とり蒸燒むしやき松蕈まつたけたひ土瓶蒸どびんむしかうのもの。青菜あをな鹽漬しほづけ菓子くわしいちご
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ひる過ぐる頃やうやうに母、飯を運び来る。膳の代りにしたる長方形の木地の盆を蒲団の上に置く。御馳走ごちそうは、あたたかきやはらかき飯、堅魚かつお刺肉さしみ、薩摩芋の味噌汁の三種なり。
明治卅三年十月十五日記事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
八月二十二日に抽斎は常の如く晩餐ばんさんぜんに向った。しかし五百が酒をすすめた時、抽斎は下物げぶつ魚膾さしみはしくださなかった。「なぜあがらないのです」と問うと、「少し腹工合が悪いからよそう」といった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)