“魚膾(さしみ)” の例文
八月二十二日に抽斎は常の如く晩餐(ばんさん)の饌(ぜん)に向った。しかし五百が酒を侑(すす)めた時、抽斎は下物(げぶつ)の魚膾(さしみ)に箸(はし)を下(くだ)さなかった。「なぜ上(あが)らないのです」と問うと、「少し腹工合が悪いからよそう」といった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)