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ごゑんりよ
「いえ、
些とも
御遠慮には
及びません。
道の
爲で
御座いますから」と
床しい
事を
云つた。さうして、
目下自分の
所に、
宗助の
外に、まだ
一人世話になつてゐる
居士のある
旨を
告げた。
取揃へ
自身に持來たれば清兵衞は長兵衞に向ひ
嘸々草臥しならん
然樣何時までも
畏まり居ては
究屈なりモシ/\
御連の
衆御遠慮なさるなコレサ
平に/\と是より皆々
寛ぎ兄弟久し
振にての
酒宴となり女房も
傍にて
酌を
串戲ぢやありません、
眞個です。……ですから
二階同士結構ですとも。……そして、
私に……とおつしやつて、
貴女、
何でございます……
御遠慮は
要りません。