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くれのさき
また
其の
岬を
大蛇灘が
巻いて、めぐつて、八
雲崎、
日暮崎、
鴨崎、
御室、
烏帽子岩、
屏風岩、
剣岩、一つ一つ、
神が
斧を
打ち、
鬼が、
鉞を
下した
如く、やがては、
巨匠、
名工の、
鑿鏨の
手の
冴に
再び
云ふ、
東向うに、
其八
雲、
日暮崎、
御室の
勝に
並んで
半島の
真中一
処、
雲より
辷つて
湖に
浸る
巌壁一千
丈、
頂の
松は
紅日を
染め、
夏霧を
籠めて
紫に、
半ば
山肌の
土赭く、
汀は
密樹緑林の
影濃かに