“くとう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クトウ
語句割合
句読55.6%
苦闘16.7%
苦祷5.6%
5.6%
九等5.6%
句讀5.6%
苦鬪5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
信州上田うえだの人で児玉こだま政雄まさおという医者がひところ馬籠に来て住んでいたことがある。その人に『詩経しきょう』の句読くとうを受けたのは、半蔵が十一歳の時にあたる。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
次郎は、少年時代からの苦闘くとうによって、自分の人間としての価値にすでにかなりの自信をもっていた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
しかもそれが父なる神の欲し給うところであることを、彼はゲッセマネの苦祷くとうによって確かめておられたのです。これがわかっている以上、陳弁と抵抗は無用であるのみでなく不信仰です。
しかしゲッセマネの苦祷くとうは、こうした他人のための祈りのみでもない。
くとうさえ深く刻んだ谷に見えた。……赤新聞と言うのは唯今ただいまでもどこかにある……土地の、その新聞は紙が青かった。それが澄渡った秋深き空のようで、文字はひとつずつもみじであった。
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うまいうまい。よしよし。夏のおどりの第三夜。みんな順々にここに出て歌うんだ。じぶんの文句でじぶんのふしで歌うんだ。一等賞から九等くとう賞まではぼくが大きなメタルを
かしわばやしの夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
これは此手紙の中の難句で、句讀くとう次第でどうにも讀み得られるが、わたくしは水府もの下で切つて、丸燒は前年七月の眞志屋の丸燒をすものとしたい。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
其頃そのころ東京とうきやういへたゝむとき、ふところにしてかねは、ほとんど使つかたしてゐた。かれ福岡ふくをか生活せいくわつ前後ぜんごねんつうじて、中々なか/\苦鬪くとうであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)