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えうけん
今その
動機について
試みに三
要件を
擧げて
見よう。
更に
其の
開墾に
第一の
要件である
道具が
今は
完全して
自分の
手に
提げられてある。
彼は
恁ういふ
辛苦をしてまでも
些少な
木片を
求めて
居る
人々の
前に
矜を
感じた。
勘次は
燒木杙を
地に
建てゝ
彼に
第一の
要件たる
假の
住居を
造つた。
近所から
聚めた
粟幹の
僅少な
材料が
葺草であつた。それは
漸と
雨の
洩るか
洩らないだけの
薄い
葺方であつた。