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うらには
いま
病院の
裏庭に、煉瓦のもとに
枯々とした
裏庭に
出て、
父さん
達は『シヨクノ』の
遊びにする
細い
木を
探したり、それを
手ごろの
長さに
切つたり、
地べたへよく
打ちこめるやうに
先の
方を
尖らせたり
おや/\
裏庭の
榎の
大木の
彼の
葉が
散込むにしては
風もないがと、
然う
思ふと、はじめは
臆病で
障子を
開けなかつたのが、
今は
薄氣味惡くなつて
手を
拱いて、
思はず
暗い
天井を
仰いで
耳を
澄ました。