“いひなづけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
許嫁62.5%
許婚31.3%
結髪2.5%
云號1.3%
結髮1.3%
許婚者1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
恥を包まず申上げるが、じつは自分が生れも付かぬ松皮疱瘡になつたため、幼いときからの許嫁いひなづけは、急に縁談を、破談にして来た。
吉原百人斬り (新字旧仮名) / 正岡容(著)
高利貸のわなかかつたばかりで、自分の躯には生涯のきずを付け、ひとりの母親は……殺して了ひ、又その上に……許婚いひなづけは破談にされ、……こんな情無い思を為る位なら
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
はかないの上なしなり、思へば男は結髪いひなづけの妻ある身、いやとても応とても浮世の義理をおもひ断つほどのことこの人この身にしてかなふべしや、事なく高砂をうたひ納むれば
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
云號いひなづけと思ひ居る事の嬉敷うれしくは思へども利兵衞殿の心底しんていかはりなければお菊にあふまじと云をお竹は無理むりに吉三郎を連來つれきたり今度は新道しんみちへ廻り庭口にはぐちの切戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とりお菊の部屋へ誘引いざなひたり然るに此お菊は幼年えうねんより吉三郎と云號いひなづけと聞居たりしが今年ことし十七歳になり始めて吉三郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つゆといへばほろりとせしもの、はかないのうへなしなり、おもへばをとこ結髮いひなづけつまある、いやとてもおうとても浮世うきよ義理ぎりをおもひつほどのこと此人このひと此身このみにしてかなふべしや
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
丁子屋ちやうじやの養女になつた、又兵衞の末の娘、お富の許婚者いひなづけで、河内屋にも出入りして居る好い男だつたのです。
銭形平次捕物控:050 碁敵 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)