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あるきだ
其の
一人が、
高足を
打つて、
踏んで、
澄してプラツトホームを
横状に
歩行出すと、いま
笑つたのが
掻込むやうに
胸へ
丼を
取つた。
湯気がふつと
分れて、
饂飩がする/\と
箸で
伸びる。
恐ろしいより、
夢と
知れて、
嬉しさが
前に
立つた。
暫時茫然として
居たが、
膚脱ぎに
成つて
大汗をしつとり
拭いた、
其の
手拭で
向う
顱卷をうんと
緊めて、
氣を
確乎と
持直して、すた/\と
歩行出す。
お
歩出しなさる時、急いでお
先に立って