『遺伝（いでん）』

「如何いう動機で私が刑法学者になったかと仰しゃるんですか」と、四十を越したばかりのＫ博士は言った。「そうですねえ、一口にいうと私のこの傷ですよ」 Ｋ博士は、頸部の正面左側にある二寸ばかりの瘢痕を指した。 「瘰癧でも手術なすった痕ですか」と私 …

著者	小酒井不木
ジャンル	文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出	「新青年」博文館、1925（大正14）年9月号
文字種別	新字新仮名
読書目安時間	約7分（500文字/分）
朗読目安時間	約12分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

状（よう） 如何（どう） 臨終（りんじゅう） 停（とど） 経（ふ） 祖母（ばば） 暫（しば） 齎（もた） 詰（なじ） 緒（いとぐち） 得（う） 嘗（かつ） 厭気（いやき） 傍（かたわら） 花魁（おいらん） 瘢痕（はんこん） 瘰癧（るいれき） 其（その） 禍（わざわい） 種々（いろいろ） 兎（と） 仰（おっ） 痕（あと） 角（かく） 以（もっ） 辷（すべ） 遂（つい） 頗（すこぶ） 仇敵（かたき） 呆気（あっけ） 凡（およ） 然（しか） 横（よこた） 楼主（ろうしゅ） 検（しら） 仇（あだ） 抽斗（ひきだし） 出生（しゅっしょう） 居（お） 寸（すん） 妖婦（ようふ） 初花（はつはな） 大抵（たいてい） 咽喉（のど）