高原たかはら)” の例文
おれだつて、れにもはふとはおもはない、たゞあの石狩原野いしかりげんやだの、高原たかはら落日おちひ白樺しろかばはやしなにをかんがへてもいゝなあ——それに五ぐわつころになるとあの白樺しろかば
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
少し行くといにしえの高原たかはら駅の跡がある。四十余年前までは高原の村はこの山上に在ったのだそうだ。
少々先きの嶮崖を下れば、梓川の本流と飛騨高原たかはら川の支流、右俣との水源地で、大きな鞍部、大槍に用のない猟手らは、常に此処を通って、蒲田谷方面に往復するそうである。
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)
しづかなり水ここにして分るると云ふ高原たかはらの駅のひるすぎ
高原たかはらに足をとどめてまもらむか飛騨ひだのさかひの雲ひそむ山
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
天つ日が四月の昼に見る夢か武庫むこ高原たかはらつつじ花咲く
註釈与謝野寛全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
高原たかはらにおとす涙は日のもと
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
ここ美作みまさか高原たかはら
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
霧のぼる高原たかはらつづき
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
駒あそぶ高原たかはらまき
艸千里 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
密林鬱乎うっことして怪鳥かいちょう梢に鳴く深山を行くこと二里余、初めて広々とした高原へ出た。ここから左方に高原たかはらの山がそびえて見える。右方の栗の古木は栗山くりやまヘ続く林だということだ。
みすずかる信濃高原たかはらの朝めざめくちそそぐ水に落葉しづめり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
高原たかはらの那須より見れば
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
人と別れし高原たかはら
短歌集 日まはり (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
自慢じゃないが、高原たかはら越えだけで普道の人間ならば凹垂へこたれるところである。高原七里の峠を越えて、これから十里、日光まで伸ばそうというのだから、まるで天狗の仕事である。無謀といわばいえ。
遠風とほかぜのいまだ聞こゆる高原たかはらに夕さりくれば馬むれにけり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
高原たかはらの小松の上を
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
志賀の高原たかはら
短歌集 日まはり (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
高原たかはら
短歌集 日まはり (旧字旧仮名) / 三好達治(著)