風呂桶ふろをけ)” の例文
風呂桶ふろをけそばでは四十五十に百姓ひやくしやう一同みんな愉快相ゆくわいさうにどよめいた。おつぎが手桶てをけつたとき勘次かんじ裏戸うらど垣根口かきねぐちにひよつこりとた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
風呂桶ふろをけさはらふ我の背の骨のいたくも我はせにけるかな』のしもの句を『く現れてありと思へや』と直し、憲吉・古実君の意見をも徴して、其をアララギの原稿にしたのである。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
「なあにかまあねえ」あとからしかめながら一人ひとり首筋くびすぢまでしづんだ。それから風呂桶ふろをけこしけてごし/\とあらひながら
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かねさんすつかりほれられつちやつた」と風呂桶ふろをけそばからいつた。おつぎはかほあかくしてあわたゞしく手桶てをけつてげた。一ぱいんだ手桶てをけみづすこ波立なみだつてこぼれた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)