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裏戸
風呂桶の
傍では四十五十に
成る
百姓も
居て
一同が
愉快相にどよめいた。おつぎが
手桶を
持つた
時勘次は
裏戸の
垣根口にひよつこりと
出た。
彼は
又裏戸の
口へ
行つて
見たが、
掛金には
栓を
揷したと
見えて
動かなかつた。
卯平はそれから
懷手をした
儘其の
癖の
舌を
鳴らしながら
悠長に
自分の
狹い
戸口に
立つた。
「
見てやあしめえな」と
其女房は
裏戸の
口から
庭の
方を
見た。さうして