青褪あをざ)” の例文
君子きみこ不審いぶかしさに母親はゝおや容子ようすをとゞめたとき彼女かのぢよ亡夫ばうふ寫眞しやしんまへくびれて、しづかに、顏色かほいろ青褪あをざめて、じろぎもせずをつぶつてゐた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
新聞社と雑誌社から頼まれて夜分遅くまで投書の和歌を添削する所から其の安眠不足などの所為せゐで、近年滅切めつき身体からだが痩せこけて顔色も青褪あをざめて居る。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
ピタリと指したのは、捨吉の青褪あをざめた顏です。
和上のきづ二月ふたつきで癒えたが、其の傷痕きづあとを一目見て鎌首かまくびを上げたへびの様だと身をふるはせたのは、青褪あをざめた顔色かほいろの奥方ばかりでは無かつた。其頃在所ざいしよ子守唄こもりうたに斯う云ふのが流行はやつた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)