青苔あおこけ)” の例文
たとえば青苔あおこけうえに、二つ三つこぼれた水引草みずひきそうはなにもて、たたみうえすそみだしてちかけたおせんの、ぼりのような爪先つまさきは、もはやかたたたみんではいなかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
のきといはここ十ねんあいだ、一えたことがないのであろう。たけ節々ふしぶし青苔あおこけあがって、そのからちる雨水あまみず砂時計すなどけいすなもりをちるのとおなじに、なくみみうばった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)