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青田
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あをた
門を
出ると、
右左、
二畝ばかり
慰みに
植ゑた
青田があつて、
向う
正面の
畦中に、
琴彈松といふのがある。
青田の
畦畔には
處々に
萱草が
開いて、
田の
草を
掻くとては
村落の
少女が
赤い
帶を
暑い
日に
燃やさない
日でも、
萎んでは
開いて
朱杯の
如く
點々と
耕地を
彩るのである。
谷風や
青田を
廻る
庵の
客
瀧の
巖に、
石の
段を
刻んで
上ると、
一面の
青田の
見霽。