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靈場
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れいぢやう
一向に
辨へずして感應院
後住の儀は存じも
寄ず爰にされば
一の御願ひあり何卒
當年より五ヶ年の間諸國修行致し
諸寺諸山の
靈場を
踏難行苦行を
しつゝ
情け
有家へ
乳貰ひに
赴き
漸々にして
育つれ共
乳の
足ざれば泣
沈む子よりも
猶悲しく思ひ最う此上は
神佛の
加護に
預かるより他事無しと吉兵衞は
祇園清水其外
靈場へ
祈誓を
掛精神を
始め村中の
厚き思し
召の程は
有難く幼年の
私しの身に取ては此上もなき
仕合に存じ奉つり
早速御受すべき處なれど
師匠が
存命中申聞せ候には
凡山伏と云者は日本國中の
靈山靈場を
廻り
難行苦行を