間歇的かんけつてき)” の例文
勇気があり、青春があり、名誉の意気があり、熱誠があり、理想があり、確信があり、賭博者とばくしゃの熱があり、また特に間歇的かんけつてきな希望がある。
しかし、いっそうおどろいたのは、その緻密な論理の中から、間歇的かんけつてきに、気味わるいほどのはげしい情熱と強い意力とがほとばしり出ることだった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
間歇的かんけつてきに小止みにはなったが、しかしそんなときは霧がひどくて、近くの山々すら殆んどその姿を見せずにいた。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
法螺ほら吹で、頭のいいことは無類で、礼儀知らずで、大酒呑で、間歇的かんけつてきな勉強家で、脱線の名人で、不敵な道楽者……ガンベはそういう男だったのだから
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
間歇的かんけつてきに起る午後の猛攻撃が始まったらしい。鉄砲弾の音響は、圧倒的に、包囲軍から発しられるものだった。
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この女の患った血漏というのは血友病けつゆうびょうではなく、婦人病の一種(子宮筋腫?)であろう。間歇的かんけつてきに出血があり、出血の時は激しい痛みを伴うものであります。
少年時にきざして、間歇的かんけつてきにかれを襲った性慾の経歴である。鶴見にもそういう時代がつづいたのであった。
噴煙ふんえん間歇的かんけつてきおこると、時々とき/″\見事みごと煙輪えんわ出來できる。丁度ちようど石油發動機せきゆはつどうき煙突上えんとつじようるように。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
観賞樹木も家不相応に植え込んだ。夏から秋の暮にかけて、間歇的かんけつてきだが、小婢こおんなも来た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
一隅の別室からにぎやかな爆笑が間歇的かんけつてきに聞こえて来る。その笑声から判断すると、どうしても女学校の生徒の集会らしい。食卓を囲む制服を着たおさげやおかっぱの一団を想像させた。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
連続してたのが間歇的かんけつてきになり、後にはほとんど聞こえなくなってしまったので、もうパリーの中央の地下にいるのではなく
ヒステリーのように間歇的かんけつてきにひき起こるすすり泣きの声をかみしめてもかみしめてもとめる事ができなかった。葉子はそうしたまま倉地の胸で息気いきを引き取る事ができたらと思った。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ストロムボリのようにかつて活動かつどう休止きゆうししたことのない火山かざん磐梯山ばんだいざんごときはめてまれに、しかし突然とつぜん爆發ばくはつをなす火山かざん特別とくべつとして、一般いつぱん活火山かつかざんは、間歇的かんけつてき活動かつどうするのが原則げんそくである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
猛烈な胃痙攣いけいれんを起こした患者が、モルヒネの注射を受けて、間歇的かんけつてきに起こる痛みのために無意識に顔をしかめながら、麻薬まやくの恐ろしい力の下に、ただ昏々こんこんと奇怪な仮睡に陥り込むように
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
呼吸は間歇的かんけつてきになり、わずかな残喘ざんぜんにも途切らされた。