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錯雑
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さくざつ
ふりがな文庫
“
錯雑
(
さくざつ
)” の例文
旧字:
錯雜
数年来
鬱積
(
うっせき
)
沈滞せる者
頃日
(
けいじつ
)
漸
(
ようや
)
く出口を得たる事とて、
前後
(
ぜんご
)
錯雑
(
さくざつ
)
序次
(
じょじ
)
倫
(
りん
)
なく
大言
(
たいげん
)
疾呼
(
しっこ
)
、われながら狂せるかと存候ほどの次第に御座候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
ギゾーの古い事は言うまでもないが。ギゾーがかの
錯雑
(
さくざつ
)
した欧羅巴の歴史の事実を
巧
(
うま
)
く綾に
纂
(
あ
)
んで概括した、あの力というものは非常なものである。
今世風の教育
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
現実の発展はもっともっと複雑で、多元的な諸要因の
錯雑
(
さくざつ
)
した相互関係に立っていることを忘れてはならない。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
本堂内の光景 どこから形容してよいかどこからいい出してよいか分らん程
錯雑
(
さくざつ
)
して居るがなかなか立派です。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
有想の域に止って加工の重荷に悩んでいます。いわゆる上等品に見られる
通有
(
つうゆう
)
の欠陥は技巧への腐心なのです。したがって形も模様も
錯雑
(
さくざつ
)
さを増して来ます。
民芸とは何か
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
▼ もっと見る
『オヤッ、不思議。あの女もやはり水晶の栓を探しているぞ。こりゃ
事件
(
こと
)
がいよいよ
錯雑
(
さくざつ
)
して来たわい』
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
その殻をわる音が
錯雑
(
さくざつ
)
とはじまった。トムの手が時々、お光さんの肩の上からそれをつかんで行った。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは一種の反感と、恐怖と、
人馴
(
ひとな
)
れない野育ちの自尊心とが
錯雑
(
さくざつ
)
して起す神経的な光りに見えた。津田はますます
厭
(
いや
)
な気持になった。小林は青年に向って云った。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大河の音と欷歔の声と飛び巡る蝙蝠の羽音とが相
錯雑
(
さくざつ
)
して聞こえて来る。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
地名は時間の区別に比して更に
明瞭
(
めいりょう
)
なる区別なれば、俳句に地名を用うるは最簡単なる語を以て最
錯雑
(
さくざつ
)
なる形象を現はすの一良法なりといへども
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
チベット政府の財政は非常に
錯雑
(
さくざつ
)
してよく分りかねるのみならず、政府の会計官吏が年々どれだけ収入してどれだけ支出するのか、側の者にはさっぱり分らない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
技巧の不必要なる
跳梁
(
ちょうりょう
)
です。形態は
錯雑
(
さくざつ
)
となり、色彩は多種になり、全体として軟弱な感じを免れることができません。これも明かに一種の病状を示した藝に過ぎないのです。
民芸の性質
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
世の中にこれほど
錯雑
(
さくざつ
)
した配合はない、これほど統一のある配合もない。これほど自然で、これほど
柔
(
やわ
)
らかで、これほど抵抗の少い、これほど苦にならぬ輪廓は決して見出せぬ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それはもう、鈴野の寝息のかおりを肌に感じさせるに足るものだった、彼の手は、恐ろしいものと、甘い夢みる興奮とに、
錯雑
(
さくざつ
)
と
逸
(
はや
)
りおののきながら、ついに、板戸の引手をさぐり当てた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
政府の組織 次に
法王
(
ほうおう
)
政府の組織に移ります。法王政府は非常に
錯雑
(
さくざつ
)
して居りますので
充分
(
じゅうぶん
)
に述べることは困難である。ことに私はそういうことを専門に調べたのでない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
成就せしめんとする
大檀那
(
おおだんな
)
は天下一人もなく数年来
鬱積
(
うっせき
)
沈滞せるもの
頃日
(
けいじつ
)
ようやく出口を得たることとて
前後
(
ぜんご
)
錯雑
(
さくざつ
)
序次
(
じょじ
)
倫
(
りん
)
なく
大言
(
たいげん
)
疾呼
(
しっこ
)
我ながら狂せるかと存候ほどの次第に御座候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
鷲抓
(
わしづか
)
みに引っくるめてその特色を最も簡明な形式で頭へ入れたいについてはすでに幼稚な頭の中に幾分でも
髣髴
(
ほうふつ
)
できる倫理上の二大性質——善か悪かを
取
(
と
)
りきめてこの
錯雑
(
さくざつ
)
した光景を
中味と形式
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
嘈々切々
錯雑
(
さくざつ
)
に
弾
(
だん
)
ずれば
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“錯雑”の意味
《名詞》
錯雑(さくざつ)
何かが複雑に入り交じること。
(出典:Wiktionary)
錯
常用漢字
中学
部首:⾦
16画
雑
常用漢字
小5
部首:⾫
14画
“錯雑”で始まる語句
錯雑な
錯雑撞着
錯雑紛糾