逡巡しゆんじゆん)” の例文
寶鼎はうてい金虎きんこそんし、芝田しでん白鴉はくあやしなふ。一瓢いつぺう造化ざうくわざうし、三尺さんじやく妖邪えうじやり、逡巡しゆんじゆんさけつくることをかいし、また頃刻けいこくはなひらかしむ。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
て吾党の士、吾人の期する所古人に在り。怯懦けふだ逡巡しゆんじゆんして、雲の如く群がれる在天の偉人に笑はるゝこと勿れ。
信仰個条なかるべからず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
もうそろそろ信心の方も見きりをつけて浮世の為事しごとをして見ようと思つたさうである。そして逡巡しゆんじゆんしてゐるうちに、眼は二たびかすんで来てもとのやうになりかけたさうである。
遍路 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
それからは不平の事は日をうて加はつても、準備のはかどつて行くのを顧みて、慰藉ゐしや其中そのうちに求めてゐた。其間に半年立つた。さてけふになつて見れば、心に逡巡しゆんじゆんするおくれもないが、又踊躍ようやくするきほひもない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
沈黙と逡巡しゆんじゆんの中に
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
幾度いくたび逡巡しゆんじゆんした最後さいごに、旅館りよくわんをふら/\とつて、たうとう恩人おんじんたづねにました。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
逡巡しゆんじゆんせずに進んだ。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)