這麼事こんなこと)” の例文
這麼事こんなことを考へながら茸を味つてゐると、今日此頃このごろついぞ物を味ひしめるといふ程の余裕ゆとりが無くなつてゐたのに気が付いた。
茸の香 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
打明うちあけてもをしますとな、エウゲニイ、フエオドロヰチもうわたくしうから這麼事こんなことになりはせんかとおもつてゐましたのさ。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
這麼事こんなことおそれるのは精神病せいしんびやう相違さうゐなきこと、と、かれみづかおもふてこゝいたらぬのでもいが、さてまたかんがへればかんがふるほどまよつて、心中しんちゆう愈々いよ/\苦悶くもんと、恐怖きようふとにあつしられる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
が、這麼事こんなこと女主人をんなあるじにでも嗅付かぎつけられたら、なに良心りやうしんとがめられることがあるとおもはれやう、那樣疑そんなうたがひでもおこされたら大變たいへんと、かれはさうおもつて無理むり毎晩まいばんふりをして、大鼾おほいびきをさへいてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)