這々はう/\)” の例文
押取觀念しろと云ながら片端かたはしよりばらり/\と打拂ひければ瞬間またゝくひまに八九人の雲助共殘らずたゝき倒され這々はう/\ていにて散々に逃行ける故半四郎は其儘打捨うちすてあしを早めて此所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あれが家に居る間は、断じて帰らない。顔を見るのも嫌だ。」などと父が彼を罵つたといふことを聞いたり……そんなわけで這々はう/\の態で彼は、春以来熱海へ逃げ延びたのだ。
スプリングコート (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
思ひ出して心を改ためよと云て此家の下男に追放おひはなすべしと渡すに下男どもは面白おもしろ半分手取足取引摺ひきずりゆき宿はづれにて突放つきはなしければ盜人はいのち辛々から/″\這々はう/\ていにて逃去たりさて又半四郎は夫より宿屋を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
といてぞはなしける徳太郎君は何となるべきと案じわづらひ給ひしにかくゆるされ蘇生そせいせし心地し這々はう/\ていにて和歌山へ立歸たちかへり此後は大人おとなしくぞなり給ひけるとなんかくて徳太郎君追々おひ/\成長せいちやうまし/\早くも十八歳になり給へり此年このとし加納將監江戸えど在勤ざいきん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)