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足休
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あしやす
(いえ、
勿体ない、
修行の
身が
馬で
足休めをしませうなぞとは
存じませぬ。)
二枚
重ね
唐繻子の
丸帶をしどけなく
結び
白縮緬の
長繻袢を着せし
姿天晴富豪の
後家と見えければ重四郎
亦々惡心を生じ幸い後家と有からは
何卒手に
入れて
暫時足休めに致したしと思ひ夫より言葉を
指て立ち出でたり然るに重四郎の段右衞門は
暫くの
足休めと思ひの
外見世の
繁昌大分ならず何不足も無き身分と成しかば一
生涯此家にて我は終らんと其後は惡事も
成ず暮しけるが或日
表の方より來りて旦那は御家にかと
問者あるを