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見送
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おく
家のものも、いっしょに
起きて、
街へゆかれるおじいさんを
見送ったのです。
村から、こうして、
車を
引いて、
出てゆくものは、ほかにも
幾人かありました。
少年は、
振り
返って、あいさつしながら、
出ていくと、
後ろ
姿を
少女とおじいさんが
見送っていて
三
人は
無限の
感慨で、
見えなくなるまで、いっしょに、その
鳥の
影を
見送っていたのであります。
少女は、お
嬢さんの
行方をうらめしそうに
見送っていますと、お
嬢さんの
姿は、
夕もやのうちに
隠れて、
消えていってしまいました。
少女は、しかたなく、さびしい
方へと
歩いてゆきました。
若者は、
厚く
礼をのべて、
教えられた
方角へ、
町を
指してゆくべく、ふたたび、あらしの
吹きすさむ
闇の
中へ
出て、
去ったのであります。その
後を、しばらく
主人は、だまって
見送っていました。