見破みやぶ)” の例文
のどをゴロゴロらしていましたけれど、きたひとがおばあさんをだまして、かねかんがえであると、ねこは、そのひとはらなか見破みやぶりました。
おばあさんと黒ねこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
わざと自分の匕首あひくちで爺やを刺したのは金之丞の喰へないところで、錢形平次の智惠の底の底まで見破みやぶつたつもりの細工さ。
おじさんはあせをかいて、へとへとになり、それでもあきらめずに、なんとかして鉄棒の化けものをたたき落として正体しょうたい見破みやぶろうと、追いつづけ
いんさまのおいのちをとって、日本にっぽんくにをほろぼそうとしたわたしのたくらみは、だんだん成就じょうじゅしかけました。それを見破みやぶったのは陰陽師おんみょうじ安倍あべ泰成やすなりでした。
殺生石 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
かれのこのくわだてをわたしが見破みやぶると、もちろん麦菓子むぎがしをやることをやめたが、かれは弱らなかった。まずかれは哀願あいがんするような目つきでそれをもとめた。
『いや、私ひとつ見破みやぶつて見せます』T君も今度は少しく気色けしきばんでゐた。
仏法僧鳥 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
これは半型の癖があると見破みやぶり、主人孫右衞門の窓を三つづつ三つづつ叩くと、主人は金之助の合圖あひづと思ひ込み、やつとこさと起き出して開けてくれたよ
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
けれどもまもなく、かれはわたしの心の中を見破みやぶったらしく、いきなりわたしのうで首をとらえた。
「なんだ、からすがとまってもなんでもないじゃないか。」といって、どっとしよせてきました。そして、ながあいだ自分じぶんたちをだましていた正体しょうたい見破みやぶってしまいました。
からすとかがし (新字新仮名) / 小川未明(著)
工夫するのも見破みやぶるのも容易ぢやない——ところでその大きい音に驚いて母屋からみんな驅けつけると、小半次は早くも縁側に轉がつてゐる銅鑼を泉水の中に蹴落したのだらう