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見界
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みさかい
ふりがな文庫
“
見界
(
みさかい
)” の例文
宗近の言は
真率
(
しんそつ
)
なる彼の、裏表の
見界
(
みさかい
)
なく、母の
口占
(
くちうら
)
を
一図
(
いちず
)
にそれと信じたる反響か。
平生
(
へいぜい
)
のかれこれから
推
(
お
)
して見ると多分そうだろう。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
八代海はすでに
半
(
なかば
)
以上ぼかされて
霞
(
かすみ
)
と海の
見界
(
みさかい
)
はつかない。この霞の海の荘厳さはこれを何に
譬
(
たと
)
えよう。それはただ
一抹
(
いちまつ
)
にぼかされた霞の海であるだけではない。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
作者が初め父太兵衛の口より
平常
(
ふだん
)
はかういふ家業の者にも似合はず理窟をいつて
尤
(
もっと
)
もらしいが、酒を飲むと人の
見界
(
みさかい
)
がなくなるから禁酒をさせ居るといふ筋を利かせ
明治座評:(明治二十九年四月)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
単
(
ひと
)
えに譃を商売にしているからばかりではない、その言っていることでも、その所作にも、何処までが
真個
(
ほんとう
)
で何処までが譃なのか譃と真個との
見界
(
みさかい
)
の付かないような気持をさする
女性
(
おんな
)
だった。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
それに非常に人懐こくて、門前を通掛りの、私のような犬好が、気紛れにチョッチョッと呼んでも、
直
(
すぐ
)
ともう尾を
掉
(
ふ
)
って飛んで行く。
況
(
ま
)
して
家
(
うち
)
へ来た人だと、
誰彼
(
たれかれ
)
の
見界
(
みさかい
)
はない、皆に喜んで飛付く。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
見界
(
みさかい
)
なく、すべての人を貨物同様に心得て走る
様
(
さま
)
を見るたびに、客車のうちに
閉
(
と
)
じ
籠
(
こ
)
められたる個人と、個人の個性に
寸毫
(
すんごう
)
の注意をだに払わざるこの
鉄車
(
てっしゃ
)
とを比較して、——あぶない、あぶない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
界
常用漢字
小3
部首:⽥
9画
“見”で始まる語句
見
見惚
見物
見出
見下
見上
見送
見透
見做
見当