見様みよう)” の例文
旧字:見樣
ほかの事は見様みよう見真似で行くが、肝心の管を巻くのと、栓に針線はりがねを植えるのとが大事の呼吸もので、亭主の熟練でなくてはだめだとの事。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
地震前から持ち越しの永久的大鉄筋の間に、半永久的の上等なバラックがひしめき並んで、見様みようによっては昔の銀座よりも美しくて変化がある。
されば、清洲の町人友閑ゆうかんをお招きなされて、常々、舞と小謡こうたを遊ばしておられるのをいつのまにか、この方も見様みよう真似まねで覚えてしもうたのだ。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ、物は見様みようでどうでもなる。レオナルド・ダ・ヴィンチが弟子に告げたことばに、あのかねおとを聞け、鐘は一つだが、音はどうとも聞かれるとある。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あるいは七夕に手向たむけたる犢鼻褌とくびこんの銀漢をかざしてひらひらとひるがえる処、見様みようによればただ一筋の天の川は幾様にも変り得べき者なりしを合点がてんするなるべし。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
これは居士の愛が深かったともいえる。居士の慾が突張っていたともいえる。いずれにしても見様みよう言様いいようである。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
人間が死んでも、心臓だけが、二十時間も余計に生きて居るということは見様みようによって、如何に心臓が生に対する執着の強いものだかということを知るに足ろう。
恋愛曲線 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
見様みように依っては、大変因縁咄めいておりましてな、貴下方あなたがたの様に新しい学問を修められた方には、少々ムキが悪いかも知れませんが、でもまあ、車中の徒然つれづれに——とでもお思いになって
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
少しはまぎれて貧家にぬく太陽のあたるごとさびしき中にも貴きわらいの唇に動きしが、さりとては此子このこの愛らしきを見様みようとも仕玉したまわざるか帰家かえられざるつれなさ、子供心にも親は恋しければこそ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一個の事業でも見様みようによっては、なかなか複雑なものとなる。
流れ行く歴史の動力 (新字新仮名) / 津田左右吉(著)
人が変ると見様みようも変って、とんだ手柄をすることがあるものだ
見様みようによっては永田が意気地なしで、大道がシッカリしているようにも見える。
これは見様みようによっては市役所にかかる問題ではないかも知れぬ。